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もしかして神様って、わたしのこと結構好きなのかも。阿蘇パノラマドライブ 阿蘇神社から通潤橋まで

熊本旅行2日目。初日(2月14日)は熊本県立美術館で土方歳三資料館とのコラボ展示を見てきましたが、

2月15日は車を借りて、阿蘇方面にドライブに向かいました!

朝7時、熊本駅を出発

ハスラー

熊本駅近隣のカーシェアにて車を7時から予約。レンタカーだと開店時間からしか借りれないけど、カーシェアなら早めの時間から借りれるからいいですね。

今回のルートはこんな感じです。

熊本駅→兜岩展望所→大観峰→阿蘇神社→草千里ケ浜→通潤橋→熊本駅

熊本駅を起点にぐるっと円を描くようなコースで、想定走行時間は4時間半。観光や食事、トラブルの所要時間も加味して夜18時返却で車を確保していましたが、最終的にだいたいピッタリくらいの時間に返却しました(いっぱい走ったな〜!)。

そもそもなんですが、わたしの熊本における「いつか行きたい場所」として、「阿蘇神社」がありました。蛍丸ゆかりの地として知られる場所ですね。しかし2016年の熊本地震の影響により、阿蘇神社に通じる「南阿蘇鉄道」が運休。全線の運転が再開されたのは2023年7月のことでした。

南阿蘇鉄道全線運転再開について | 南阿蘇鉄道

というわけで、今回の熊本旅を計画する中で「あ、もう阿蘇神社いけるようになったんだった!じゃあ県立美術館にくっつけて行きたいな」→「でも阿蘇山の風景とかも見てみたいんだよな」→「去年仕事でちょいちょい車運転したし、今ならまあ運転できそうじゃない?車借りてみよっか」という思考の流れで、今回のドライブを決行することになりました。

まずは兜岩展望所へ!

9時、兜岩展望所で朝ごはん

兜岩展望所

熊本市内から兜岩展望所までは1時間15分……の予定だったんだけど、朝の渋滞で2時間くらいかかった!洗礼を浴びた気分です。

阿蘇の山エリアというか、国立公園エリアというか……に入ると、あたりは金色のくさぐさ。その中に道路が伸びて、上がったり下がったりぐねぐねしたりしているイメージです。今は2月だからゴールデンレトリバーの背中みたいな風景だけど、時期が変わればここいらは緑色の草原らしい。

そんな道の途中途中にちょっと車を停められるような場所があって、兜岩展望所もそのひとつ。初っ端から長時間運転になっちゃったので、さっそく車を停めて展望台へ。

兜岩展望所

もう、これなんですもの。

兜岩展望所

ここまで運転してきている途中でも、山陰の合間からチラリとこんな風景が見えてはいたんです。でも慣れねえ道を運転して脇見する余裕なんてないし、オレンジ車線だし、停めれるような場所もないし。兜岩展望所でやっと落ち着いて見ることができました。

朝食

落ち着きついでに、車に戻って朝食(福岡のご当地パン「マンハッタン」好き)。本当は外で景色を見ながら食べられたらよかったんですが、前日&早朝の雨でベンチが濡れていたので。でも、これを食べてるうちに空がだんだん晴れてきました。

阿蘇スカイライン展望所

途中途中の展望所に立ち寄りつつ、次は大観峰へ。

9:50、大観峰

大観峰(だいかんぼう)は阿蘇の中でも主役級スポットのひとつ。「標高は約935メートルで、直下に眺める阿蘇谷(阿蘇市街地)との標高差は約400メートルにもなる、阿蘇を代表する絶景スポットです。ここからは360度の大パノラマが楽しめ、阿蘇の街並みや阿蘇五岳、くじゅう連峰までが一望できます(熊本県公式サイトより)」という場所で、観光バスも多数乗り入れています。

大観峰

他の人の車が停めてあったのでつられてここに停めちゃったけど、もっと奥にちゃんとした駐車場があった。

大観峰

駐車場にはソフトクリームを売ってる感じのお土産物やさんがあり、そこからさらに少し歩いたところに、展望台があります。

大観峰

はあ、もう、これですもの。

大観峰

前述したように前の日から今日の朝にかけてちょっとぐずついた天気だったんです。本当はピーカンの晴れだといいなと思ってたんですけど、でもまあ降らずに済んでるだけいいか、って思いながら車を走らせてて。

大観峰

でも、もしかしたらまばゆいほどのブルーよりこっちの方が良かったかもしれない。雲間から光がさして、下では霞がかかっていて、嘘みたいな景色だ。

大観峰

なんかこんな景色を見たら「あそこに神様がいる」と思っちゃっても仕方ないかも、と思った。桜島を見た時も、立山を見た時も「こんな明らかに人智の及ばぬ造形が鎮座ましましていて、こんなものにずっと見られて生まれ育つのってどんな感じなんだろう」と思ったものだけど、この風景にも似たような感覚がある。

わたしきっと、グランドキャニオンを見ても同じことを思うんだろうな。

大観峰

阿蘇谷(阿蘇市街地)もすごいけど、その反対側、草原の方もまたすごいのです。こういうものを身近なものとして生まれ育つのってどんな感じなんだろうな……

大観峰

ちなみに野原みさえは阿蘇出身だそうです。

11時、白木の匂いの阿蘇神社

大観峰から20分ほど車を走らせると阿蘇神社に到着します。

阿蘇神社

前述した通り、熊本地震の影響をさまざまな形で受けた場所。楼門を潜って最初に思ったことは「白木の匂いがする」でした。

阿蘇神社

古い木と新しい木を継いで作られています。

阿蘇神社

阿蘇神社の境内の建物、ほぼ全てが地震によって被害を受けました。この楼門は全解体ののち修理が施され、完成したのは昨年11月。つまり2024年2月現在、できあがってまだ3ヶ月のタイミングというわけです。白木の香りは清々しく感じる一方、ちょっと痛みを思い出すような感じもする。

阿蘇神社

そしてこの楼門復旧完了と同時に、新たに制作した「蛍丸写の拵」奉納式も行われました。

蛍丸伝説プロジェクト実行委員会による奉納行事について | 阿蘇神社

大太刀 号 蛍丸写し 美濃國藤原房幸 豊後國房興 関鍛冶伝承館

蛍丸写し 美濃國藤原房幸 豊後國房興 2023年12月関鍛冶伝承館で撮影

阿蘇氏の10代当主・阿蘇惟澄が所持していたと伝わる蛍丸。クラウドファンディングで制作された蛍丸の写しが阿蘇神社に奉納されていますが、さらにその拵がつい3ヶ月前に奉納された、というわけ。思いがつながり続けているなと感じます。

蛍丸伝説をもう一度!大太刀復元奉納プロジェクト始動! | クラウドファンディングFAAVO
刀剣乱舞-ONLINE- 阿蘇神社 復興支援 | ニトロプラス

阿蘇神社

阿蘇神社の駐車場は最初の30分は無料、以降1時間ごとに100円かかります。ただ阿蘇神社の境内は入れないところも多いし、お参りしたら終わってしまうので30分で全然間に合うな、という感じ。でもせっかく停めたので(車庫入れの労力〜っ!!!)、お課金許容でちょっとあたりをぶらついてみます。

11:10、水音すずしい門前通り

阿蘇一の宮門前街

阿蘇神社の前の通りには、門前街としていくつかのお店が並びます。ボリュームはそんなにないけれど、ちょろっと見て回って楽しいくらいのポテンシャルはある。

阿蘇一の宮門前街

通りのお店に共通のデザインの看板があって、これは地震でいっぺん色んなものが壊れたから、直しがてら揃えた感じなのかなあ……と思った。でも結構古い雰囲気のお店も多いんですよね。

阿蘇はなびし

ちょっと早めのお昼として、通りにあるレストラン「阿蘇はなびし」であか牛のハンバーグを食べました。このお店も内装は古民家風って感じ。お店のサイトにもそういった部分の紹介がないので、いつからある建物なのかはよくわかんないんだけど。震災を切り抜けた建物なんだろうか。

阿蘇はなびし

眠気対策にカフェインを入れた。

そしてもうひとつ、まち歩きで印象的だったのが「水」でした。まじで全部のお店の前にそれぞれの石鉢と水じょぼじょぼがある。

阿蘇一の宮門前街

阿蘇一の宮門前街

これだけ水が湧いてたら「ここはすごく清浄な場所に違いない!神社つくろ!」ってなるのも無理ないかも。車に戻りがてら、神社の御手水をペットボトルにいただいてきました。

阿蘇一の宮門前街

神の泉、テイクアウトで。

12:20、草千里ヶ浜へ

次の目的地は「草千里ヶ浜」。ここも絶景ポイントのはずなんですが……

草千里ヶ浜

雲行きが怪しい(文字通りの意味)。

草千里ヶ浜

500円払って駐車場に入ったけど〜……

草千里ヶ浜

これですねん。

雨、というわけではなく、めちゃめちゃ霧でした。ここまでの霧って経験ないよ。厚紙ドライバーの分際で運転するようなコンディションではない。そして当たり前ですが、景色は全然わかりません。

景色はまあ仕方ないとして、この濃霧のなか運転するの、不安なんですよね。幸いなことに草千里ヶ浜は大観峰以上に商業施設が充実していて、綺麗なカフェレストランもあります。

草千里ヶ浜

霧が晴れることに期待しつつ、ここで一旦おやつ休憩にすることにしました。

13時、ほうれん草のバターソテー

お土産物やさん併設のカフェレストラン「douce Nucca」。お食事も、カフェメニューもいろいろあるお店です。阿蘇に来たのに乳製品を食べていなかったので、ジャージーバターサンドを注文。

ドリンクセットでは5つくらいあるフレーバーから2つを選べるんですけど、ひとつはラズベリー、もうひとつはほうれん草にしました(好奇心)。

草千里ヶ浜

ラズベリーはまあ順当にラズベリーだったんですけど、ほうれん草は、

「ほうれん草のバターソテー!!!」

ってなって面白かったです。いや普通に美味しいんだけど「バターソテー!!!」に持ってかれてラズベリーより断然こっちが好きになっちゃった。ほうれん草のバターソテー味のバターサンド、ぜひ食べてみてください。

14時くらいまでお茶しながら外の様子を伺ってみたんですが、短時間で変わるような様子でもない。見切りをつけて出発することにしました。

14時、阿蘇パノラマラインにて寵愛を得る

……って出発したんだけど、あれえ??

阿蘇パノラマライン

なんか、草千里を出た途端に晴れた!

阿蘇パノラマライン

もうこの、雲間の青空から降り注ぐ光が本当に綺麗で。記事に載せる写真は2枚にとどめましたが、途中途中で色んなところで停車して、写真を撮ったり景色を眺めたりしています。

なんならこれが青空よりずっと綺麗な景色なんじゃないだろうか、濡れた地面がキラキラと光を反射するさまを眺めながら「もしかして神様、結構わたしのこと好き?」と思っちゃった。

阿蘇パノラマライン

神の寵愛を感じながら阿蘇パノラマラインを抜け、走ること1時間。最後の目的地は通潤橋です。

15時半、震災を乗り越えた国宝・通潤橋へ

通潤橋

最後の目的地は通潤橋(つうじゅんきょう)。これも熊本地震およびその後の大雨によって被災。損傷を修復し、2020年に放水を再開2023年に国宝指定に至りました。

でね、実を言うとわたし、通潤橋ってどういう橋なのかよく分かってなかったんです。現地の案内を見て勉強させていただいた。

通潤橋

橋の「中」に管が通ってて、そこを水が流れています。でも石とかが詰まるから、定期的に水を放水して詰まりを吹き飛ばしている。この水は農業用水に使われますが、この橋だけでなく、この地域一帯で水路が張り巡らされ、生活を守ってきた。

通潤橋

地形がいまいち把握できてないからしっかりと理解してはいないんだけど、じゃあ橋の中を水が流れていて、橋の下の川に見えるのも水路で、あとそっちの方でも水が流れてて、……って思うと、まじ「治水」ってすげえ大事な仕事なんだなって思わされます。

通潤橋

これが嘉永7年(1854年)からあるってんだからすごいよね。このあと車を走らせる中でも田んぼの脇の水路などが目について、「もしかしてあれも……?」となってしまった。視界が一変されました。

そんな通潤橋も、蛍丸とちょっとゆかりのある場所。通潤橋は「道の駅 通潤橋」と隣接していますが、2015〜2016年、この道の駅で「中世阿蘇大宮司家と宝刀蛍丸」の企画展が開催されていました。

通潤橋

今でも、当時のリーフレットとポストカード、音声案内CDが販売されていました!

あと、お名前を同じくする地元の酒屋さん「通潤酒造」は蛍丸のお酒を出していますね。こちらの商品も道の駅で取り扱ってらっしゃいます。

今回は立ち寄らなかったんですけど、近隣の「浜の館」が阿蘇氏の城でもありました。現在は礎石跡があるみたいです。国宝見物のついでに、こういった場所に足を運ぶのも良いかもしれません。

どうでもいいけど通潤橋のトイレ、なんかやたら風格があった。

通潤橋

17:40、車を返却

通潤橋から熊本駅までは1時間ほど。街に戻ってきた……と思ったらまた少し渋滞に巻き込まれました。街中で車に乗ることがほとんどなかったから、渋滞、ビビるね……

そんなこんなで18時の返却にちょうど良い感じの時間でドライブが終了しました。丸一日運転してた〜!今日は熟睡しそうです。

車でめぐる阿蘇の旅

大観峰

という1日の大冒険の日記でした。ルートや所要時間など、阿蘇旅行の参考のひとつになればいいなと思います。

また今回は公共交通機関についてはほとんど触れませんでしたが、冒頭で話したように南阿蘇鉄道が全線再開となったため、阿蘇神社には最寄り駅から徒歩20分くらいで行けます。また大観峰には「2024年3月24日(日)までの土・日・祝日限定で、JR阿蘇駅前発、大観峰行きの臨時シャトルバスが運行」されているようです。通潤橋も草千里もバスターミナルや駅からバスが出てるみたいだし……

やっぱり「まとめて回る」ことを考えると車じゃないと難しいですが、いっこいっこなら公共交通手段でもどうにかする手はありそうです。「ここだけは行きたいな」という場所があれば、ぜひ行き方を探ってみてください。

ここまで読んでいただいてありがとうございました!

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