2023年4月8日(土)、水辺を歩いた1日の日記。
9:00、三島駅着
この日からスタートする静岡県三島市 佐野美術館の「オードリー・スタイル 飾らない生き方」を目当てに、三島にやってきました!佐野美術館には刀の展示を目当てに何度も来ているし、三島自体ももう慣れたもんなんですが、そういえば柿田川湧水って行ったことなかったなって。意外に歩ける距離だったので、今回の目当てのもうひとつを「柿田川湧水」と定めています。
三島駅到着が9:00。ここから柿田川湧水のある柿田川公園には、最短距離で徒歩30分ちょいです。歩きます!
まっすぐ進んで国道1号線へ
三島駅正面のでかい道をまっすぐ歩いていくと、右手に和菓子屋、左手に佐野美術館入り口が見えてきます。この和菓子屋(雅心)の横には、「三島梅花藻の里」と称される一角があります。
散った桜が井戸に溜まっている様を見て、思わず足を止めちゃう。
これが梅花藻(ばいかも)。梅の花の藻、と書くように、確かに花が梅に似てる。この季節に三島に来るのって初めてだったから、梅花藻の花も見たことなかったな。
ちょっと歩いた先にはまた別の小さな川があって、その横に桜がまだ少し残っていたり。
心に7歳児が住んでいるので、水を見ると近くまで寄っていっちゃう。
ここも、花が溜まっていて綺麗……と思ってすぐ横に目を向けたところで、
「これ牛革草じゃん?」と気づく。石田散薬の材料です。よくもまあこんなものに気づく謎の知識を蓄えてしまったことよ。
しばらく歩くと国道1号線にぶつかりますので、右折。国一あるあるで車屋さんとかチェーン飲食店とかが立ち並んでますね。そこを進んでいくと、大きな「柿田川公園」の看板が見つかります。予定では30分くらいだったけど、ちょいちょい寄り道したのもあってか、45分くらいかかってました。
柿田川公園
実はここ、三島市じゃなくて駿東郡清水町なんだよね。柿田川湧水、つまり湧水を中心とした公園です。昔はお城があった場所でもあります。
「泉頭城」。北条の城のひとつだったらしくて、後年家康が隠居の地にしようとしてたんだけど、急に中止になって駿府で隠居した、とのこと。何があったんだろうな。
実はわたし、柿田川湧水ってもっと山の方だと思ってたんです。でもここは三島駅から見て海側。「えっ意外に近いんだ!?」ってことも驚きだったんですけど、「えっそっち側なんだ!?」ってのもすっごく驚きでした。でも理屈を見てみると納得します。
三島の町を歩くといろんなところで溶岩の石を見ますけど、この一帯ってもともと富士山の溶岩が流れてきてる場所。富士山に近ければ近いほど、溶岩の層が頑丈なんですね。海に近くなってくると溶岩の層が薄くなってくるから、地下水が地表に出てこれる。そういうわけで、三島駅近くの楽寿園とか、源兵衛川とか、この柿田川とか、こういうところで水が湧いてくる。
溶岩の石見ると「三島だな〜」って思うよね。
高野二三
というわけで、やってきました柿田川。公園に隣接する場所は、過去は高野二三という人物の敷地でした。
明治の人で、福井の和紙作りのお家で生まれました。製紙のために良い水を求めた結果、柿田川に製紙所を作ったんだって。公園に入るとこになんかお屋敷があって「なんだこの建物」と思ったんだけど、これもこの高野さんの住居跡。家屋には入れなかった(実は入れるのかな?)けど、お庭を通り抜けることはできます。
展望台めぐり
柿田川公園の全容はこんな感じ。「柿田川湧水」でよく画像が出てくるのは、第二展望台から臨める湧水地です。とりあえず第一展望台からぐるっと回ってみましょう。看板には「モデルコース45分程度」とありました。
第一展望台
展望台ってどういうことやねんと思ったんですが、公園から階段を降った先に、水の湧くとこを見られる場所、が用意されています。確かに「展望台」としか言いようがない。
この日は除草か何かの作業を行なっていました。一般の人は環境保全のために入ることができません。ここで水遊びしたらめちゃめちゃ気持ち良さそうではあるけれど!
あまりにも水が透明すぎて写真じゃ伝わらないかもしれないけど、湧いてます。モコモコしてる。
きた道を戻って、次は第二展望台へ向かいます。柿田川公園は広い公園ってわけじゃないんだけど、見える景色が「ちょっとした山」って感じがする。
「(車で行ける)山の上にある、ちょっとした売店とか公園みたいになってるようなとこ」に近い雰囲気。お手軽な山。めちゃめちゃ町中なのに。
芝生広場もめちゃめちゃ広いわけではないんですが、ここでお弁当とかも良いなって思う。「お手軽な山」の雰囲気なので。
そう、公園のすぐ横、国道1号線なんですけど、ガストとかスタバとかサントムーン柿田川(ショッピングモール)とかあるんですよね。
ここで何かテイクアウトして、公園で食べるのも良さそうだな。もちろんゴミは持ち帰りで!
第二展望台
さて、かの有名な第二展望台。
一体どんな感じなのか、と思いつつ。
でっぱりから覗き込むと……
うわーっ!!!
でかっ!!!青っ!!!!
でっっっっか……でかっ、想像以上にでかかった。展望台から覗き込んだとこぜ〜んぶ井戸。そして青いです。看板によると紡績工場のために掘られた井戸とのことで、色の理由について詳しいことは書かれていなかった。光の屈折かなんかかな?
曜変天目じゃん。
ちなみに「コイン入れるなよ!」って看板も出てます。
コインがダメなんだから言わずもがななんだけど、もし許されるならここにダイブしてみたいよね。
魚いた。
貴船神社
公園内には貴船神社もあります。京都の貴船神社の分社です。
いい光。
おそらく御手水も湧水かと思われます。流れっぱになっていて、贅沢だなと思った。
八つ橋
公園を進むと、八つ橋と呼ばれるエリア。水の流れる上だったり横だったりを、橋を通りながら歩くことができます。展望台のあたりはどうしても階段があるけれど、この辺は段差がないので万人が楽しめそう。
強そうなカメラを持ってるおっちゃんは、カワセミを待ってるらしい。「そこにアユいるよ」と教えてもらった。
なんか写真で見ると、水が透明すぎて砂利の上に魚がいるみたいに見えるな。
「ハイここ!!ここで水湧いてまーす!!!」みたいな主張が特にないとこでも、しれっと水が湧いてる。本当に水が豊富。そりゃあ家康も「ここに住もっカナ……」ってなるわ。
八つ橋を通り抜けると、駐車場エリアへ。ぐるっと回って最初に入ったところに戻ってきました。
お土産物エリア
来たときはまっすぐ湧水の方に向かってしまったけど、お土産や飲食店が複数あり、結構充実。湧水を汲めるところもありましたので、空のボトルを持ってくるのも良さそうです(販売もしてました)。
この時点で10:30くらい。三島駅前で12時から食事の予約を取ってたので、帰りの時間も加味して30分くらいなら休憩できるな……と判断し、「茶房・蔵」さんにて湧水アイスカフェオレ飲みました。
猫いた。
境川・清住緑地、丸池公園
「帰りは来た時と別の道にしよ〜」と適当に歩いたら、また水辺があった。
丸池は農業用水の池らしい。ここもまた、柿田川みたいな水の湧いてるところ。この辺地面の下めっちゃ水あるな。
ここは「緑地」でもあり、緑がとても綺麗で。桜も少し残っていて、のどかな春の日差しでした。
こっちの方が柿田川よりは水量が少ないんだろうな。だからこそ「川」っぽさが弱くて、ゆるやかな感じ。
う〜ん、春!!!
東急ホテル ROBATA GRILL 炉 L’EAU
今回の食事の予約は三島駅すぐ横の東急ホテルにある、「ROBATA GRILL 炉 L’EAU」というお店で取っていました。というのも、もともとは源兵衛川沿いのお気に入りレストラン「ディレッタントカフェ」に行きたかったんですが、予約を取ろうとしたところ満席で断念したんです。
で、別件でじゃらんのポイントが2000円分溜まっており、「忘れないうちに使っちゃえ」と思ってレストランを見てたところ(じゃらんのポイントって宿泊だけじゃなくホテルのレストランとかでも使えるんですよ)、「おっ、三島に使えるとこあるじゃん!」って。
っていういきさつで、たぶんこういうことが重ならない限り選択肢に上がらなかっただろうなというお店にやってきました。
高っ。
高〜い!14階建のホテルの13階で、富士山が見えます。ちょっと雲の色と同化しちゃってわかりにくいけど!
ランチの3100円のコース。ポイント分引いて実質1000円ちょいですわよ。
サラダはサラダバーからセルフでピックアップ。取ってきたサラダを食べながら「前菜遅いなあ、前菜ってパッと出せるもんだと思うけど」みたいなこと考えてたら……
すべてを許した。
え〜っかわいい、かわいい……サーモンのタルタルが桜の最中にセットされてて、桜味のクリームとかサワークリームとかが添えられてます。かわいい。遅いなって言ってごめん。かわいい。
メインはプラス200円でサーロインにできたのでお課金した。そりゃプラス1000円って言われたら躊躇するけどね、200円ですからね。
人間、時には分厚い肉を食べねばならぬ時があるのよ。ご飯とおしんこ、お味噌汁もメインと一緒に出てきます。
デザートはラベンダーのブラマンジェ。わたしがハーブ好きなの存じ上げていらっしゃる……?ってなった。これで1300円ですものね、ハッピー。
隆泉苑
13時くらいにお店から佐野美術館へ移動し、オードリー・ヘップバーンの展示を見ました。佐野美術館に行くときに通り抜ける庭園の名前は「隆泉苑」。今日たくさんの湧水を見て、「そっか、泉の隆る庭」と改めて思った。水の豊かな場所、の、庭の名前だ。
展示の話はこちらにて。
ふたたび、梅花藻の里
展示を見終わったのは14:30くらい。朝に通りかかった時は誰もいなかった梅花藻の里だけど、子どもが水辺で遊んでいて、なんとなく足が吸い寄せられて、また水辺へ。
梅花藻の里から住宅街の方に入っていくと、源兵衛川の流れにいくことができます。
川を遡って、駅方面へ戻ることにする。
源兵衛川は三島駅を出てすぐの楽寿園を水源とする川の流れ。これもまた富士山の湧水です。
「夏はもっと気持ちいいだろうなあ」と「夏は混むだろうなあ」が入り混じる場所だ。今くらいが一番いいのかも。
ちょっと水の近くまで降りて行ったことはあっても、ずっと歩いていくのは今日が初めて。飛び石になってるところがあったりして、意外に冒険ルートでした(小さい子も歩けるくらいではありますが)。
そして、うん、やっぱり今日ディレッタントカフェに来れたら最高の日和だったな……!お店の前の桜、まだ花が残っていました。また来年チャレンジしたい。
駅前でお土産を買って
東急ホテルに入る用事がなかったので知らなかったんですが、ホテルの下層階が小綺麗な商業施設になってて、干物やお菓子、お酒などを扱うお土産物やさんも入ってました。修善寺のなんかのビールを買った。このお店、干物とお酒を飲める小さなカウンターがあって、ここなんかもいいなあって思った。わたしは家で飲みましたが……
ビール注ぐの下手くそ芸人。
水辺を歩いた1日
通い慣れた三島ではありますが、これまで行ったことのなかった場所に行ってみた結果、たくさんの水辺を歩く1日になりました。本当に水の豊かな町だね。刀が好きなみなさんは年始に三島に行くことが多いと思うけど、今くらいの季節とても楽しいと思います。ちょどオードリー展の期間は初夏くらいまでだし、おすすめかも。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!三島、歩いてみてね。