鯰尾藤四郎 物吉貞宗

百日紅が咲いたから徳美に行かなきゃ~名刀紀行見てきたよログ~

百日紅が咲いたら夏になったなと思うし徳美に行く季節だなと思います。
木蓮が咲いたらもう雛の季節だから徳美行かなきゃと思います。
近所の百日紅が咲いたので夏の必須科目履修しに名古屋行きました。

平成最後の夏いかがお過ごしですか。いざなみです。
最近いつも冒頭がコレですねいいじゃないですかこういう言い回しできるの一生にそう何度もないですよきっと。

いま名古屋の徳川美術館では、特別展として刀がっつりな展示が行われています!

名刀紀行-五箇伝巡り-
名古屋・徳川美術館へようこそ 

審神者的には
・物吉貞宗
・後藤藤四郎
・鯰尾藤四郎
・本作長義
・庖丁藤四郎

など注目したい刀剣そろい踏みとなっている展示です!

わたくしごとなんですが誕生日が9月2日なんですよね。
今年の9月2日は日曜日なこともあり季節の区切りなこともあり、いろんな美術館博物館のいろんな展示の最終日が9月2日が多くて、街のいろんなポスターで9月2日が目についてなんだかおもしろい。

あ、誕生日プレゼントくださる予定の方いらしたらわたしルンバが欲しいです。
はせべって名前をつけます。お待ちしております。

それはともかく!行ってまいりました名古屋!
行った日は2018年8月18日(土)です。晴れていたけれど暑さの和らいだ日でよかった。灼熱の東海。
つらつらだらだらログしていきますよお。

イメージカット さるすべり
 

金曜日の深夜、東京駅発の夜行バスに乗って名古屋へ。
到着が早朝5:40ごろで、とりあえずバス降りてすぐそこのマックに入って1時間くらいだらりとして。

……熱田神宮お参りに行くか迷ったんですけど、熱田さん行くとやっぱ宝物館も見たくなるし、そうすると宝物館でだいぶエネルギー吸われるだろうし、今回徳美展示数多いのわかってるし、そっから行くのスタミナ持つか……?

となりましたので今回は行くのやめました。優先順位大事。

となりますと結構時間が有り余ってしまいましたので、徒歩で徳美に向かってみた次第。

名古屋駅から徳川美術館まで徒歩。

ツイート
 

ストレートに向かうと1時間半くらいだったかな?
どうせ時間あるしお城チラ見してこーってちょっと大回りして歩きました。健康です。

徳美の入館料はノーマルだと1400円ですが、コンビニ等で前売りを1200円で買えます。
徳美の割と近くまで来たところにあったファミマでチケット買って、
その近くでクラシカルな雰囲気の喫茶店を見つけたので入ってのんべんだらりとしました。

支留比亜
 
支留比亜
 

さも個人店のような雰囲気出しといてしっかりチェーン店だった。

徳川本店 本物の珈琲をお届けする支留比亜珈琲 フランチャイズ本部

支留比亜
 

だってこの入り口はちょっとドキドキして入っちゃうじゃないですか?
なんか知らんけどとっぷり居座ってしまって2時間近くいてしまった気がするんだけどよかったです。

さて、シルビアコーヒーからはもう5分くらいで到着できたよ!
徳美です!

夏の必須科目、徳川美術館

徳川美術館
 

入ったらドーン

徳川美術館
 

なかなかチャレンジしづらいラインナップの顔ハメである。

鯰尾藤四郎 物吉貞宗
 

等身大鯰尾藤四郎持てます。ご期待に添えます。
ではつらつら気になったもの箇条書きレポ行きますよ!

●18 刀 銘以南蛮鉄於武州江戸越前康継 慶長十九年八月吉日

入ってすぐの武具のお部屋にて。
名前がながい。そして長さもぐーんと長く感じる。新刀なのでってのもあるんでしょう。
これがすてきだなーと思ったのは、刃文のふちの輝きがすっごくクリアに見えたこと!
佐野美で観た謙信景光もこんな輝き方してたなーと思いました。全然時代違うのにね!

波打ち際に寄せてくる波が小さく砕けているみたいな、
大波じゃなくてあれくらいの波、に似ている刃文だなあと思いました。
足がちょいちょい入ってて見るの楽しいよ。

●20 脇指 銘虎徹興里作 寛文五年三月吉日

まず「尾張徳川家虎徹買ってたんだ!?」みたいなびっくりがあったよね。
いや落ち着いて考えれば蜂須賀家や池田家が持って大事にしてたわけだから、そこまで驚くことではないのだけれど………
これはやっぱあれですね、近藤勇が求めた実用に叶う刀のイメージが今は強くて、実用刀を御三家が持っているというのにびっくりしたのかも………

すごくきっさきが大きくて雄々しい姿していて、刃文は数珠でも瓢箪でもなかったです。
とにかく「ガンガン行くぜ!」みたいな見た目してるから「お前大名道具のツラしてねえぞ……」みたいな感想抱いてしまう。つよい。

●25 刀 無銘 貞宗

「えっ貞宗?貞宗ってぼくらの知ってる貞宗のことで合ってる?
同名の別の人だったりしない????」

ってしっかりキャプション読んで確認してしまった貞宗。それくらいイメージ違いな貞宗でした。

肌がすっごいの!!

古い奈良の刀みたいな雰囲気してました。
隣に物吉貞宗が展示されていたので反復横跳びしてめっちゃ見比べたんですが
ほんと「えっまじで……?まじで?貞宗ちゃんこんなのも作ってたの……?」って感情がすごかった。知らんかった。

ノート 貞宗
 

切っ先がおっきいからなのか、切っ先に向かって身幅が広くなってるみたいな印象をうけました。
それでノートに書いたのが「クレッシェンド」。そんな感じ。
その切っ先の刃文もすてきだったなー!
熾火がちろちろと燃え続けているような様子だった。静かにずっと燃えている。

キャプションで、物吉は「南北朝」、こっちは「鎌倉~南北朝」という表記がされていたので
こっちのほうが古い作の可能性もあるのかな?とか思ってます。

●26 物吉貞宗

ぼくらのラッキー貞宗。

割と反ってるんですよね。一歩引いて見てみると「大人しくない姿だ……」と思ったりする。
貞宗だと亀甲貞宗の上品さがとびきり好きなんですけど、物吉もやっぱり上品で、刃文にも肌にも沸えがちりちりと立っていてきれい。
だからこそ隣の無銘貞宗の雄みのすごさをひしひしと感じる。

今回の展示では物吉の拵え、白鞘、白木の箱と漆塗りの箱、折り紙、金襴の二種類の刀袋やら鍵やらと、物吉を包むためのものがいっぱい展示されているのが見ものです。
あんたずいぶん衣装持ちね!

あといつもお能の衣装が展示されてるとこ、
今回は狂言の装束で見たことないもの出ててテンション上がりました。

ノート
 

サンタさんみたいなのあった。真夏なのに。
あときぐるみもあった。狂言ってきぐるみ着るんだ……

ここから「英雄たちの戦国合戦」展の展示へ。

●鯰尾藤四郎

小牧長久手の戦いのあたりでの資料として展示されていました。
鯰尾と小牧長久手の戦いの関連については以下にて。個人的永久保存版良記事。

▼鯰尾は血の味を知ってる刀

【101】脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎 小牧長久手の戦いを「勃発」させた刀 – 「天下人の城」〜徳川美術館応援団〜

まあ「英雄たちの戦国合戦」という展示なんで刀以外の展示がだいたいなんですよ。
信長・秀吉・家康のあれこれを時系列で展示したパネルとか資料とか書とか屏風絵とかを順番通りに見て、
見ていく先に「あ、あそこに鯰尾いるな~」とは思ったけどまあ順番通りに見て、
「次だな~でもまだこのパネルの説明読みます」っていう感じでふと隣のケースの鯰尾見たら

不意打ちで肌超きらめいてたからびっくりして泣いちゃうわそんなん

今回の展示ね!真正面より横からのがめっちゃよく見えます!
隣のケースから見て!光を乗せて!
不意打ちでそれやめて準備してない……ってなる感じの肌の美しさ披露してくれます!
ご期待に沿えてます!!!

ツイート
 

いや、この気持ち、わかる人いる……?
いつか贔屓目が消えて感動できなくなる日が来るのをずっと怖がってるんだけど、そんなの吹き飛ばす勢いでちゃんと綺麗でいてくれるからほんとありがたい………

いやほんと、この気持ち共有できる人だれかいませんかね……
だってそもそもわたし初めての刀剣遠征が徳美に急遽展示が決まった鯰尾を見に来たやつで、そのとき「見たは見たけどなんかよくわからんかったな」ってなったのが悔しくて、それで場数踏んでいっぱい旅してだんだん単純にそれが楽しくなって今の状態に至ってるんだけど、だから原点の鯰尾をちゃんと素敵だと思える自分でいたいなと思うんだ………
だからそうできていてすごく安心したんだ………

こじらせてる………………………………

あとこの先の展示で「大坂夏の陣」もあったんだけど
そこに展示されていなくてよかったなって思った。
そうなったらいろいろ感極まってすごいめそめそしちゃってた。
秀頼様の色紙があったのでそれだけでもわりとめそめそしちゃってた。

●45 刀 本作長義(以下略)

(以下略)がチャーミングな長義さん。
山姥切国広の本歌さんです。

今回何度か目にお目にかかって「あれ???」って思ったのだけど、わたし初めて見たとき「殺意高いー!!!強そうーーー!!!ゴリマッチョーーー!!!」って思ったんですが、その印象が結構和らいできてるような?
なんでだろう、ほかのもっと殺意高いやつ見慣れちゃったからかな。
それとも山姥切国広を見たからかな。わからない。

刃文がメキメキしていて「はーい脳筋だなー」みたいな印象を受けるのですが、刃文の山の端を見ると、なんだか塩の結晶みたいにすごく繊細な光をしているのですよね。
山姥切国広を見たとき刃文を見て「あのキャラデザの襤褸布の様子に似てるな」と思ったのですが、それとはまた別の様子の光だと思いました。

ツイート
 

あと照明の関係もあるだろうけれど、なんだかとっても青く見えた。
青いどころか紫がかって見えた。ブルーマロウ。

ここからは「名刀紀行―五箇伝巡り―」の展示!
刀!全部刀!!!って感じで超ボリューミーでした休憩必要!!

●1 短刀 名物 海老名小鍛冶

「あああ、あなたのこと、わたしずっと覚えていたのよ………」となりました。
一番最初に本作長義を見た展示のときに展示されていたはず。三条の短刀です。

あのときはすごく薄くてその薄さにひやっとしたはずだったんですが、今見たらそれほどでもないという感じだった。
なかごまで樋が通っているんですが、その樋の溝に沿うように目釘穴が4つ開いてるので、なんだかリコーダーみたいでかわいかった。
きっさきの肌だけがゆらりと燃えているようでした。

●2 刀 無銘 吉家

じりじりと燃えているみたいな肌だったのですが
ぱっと目を引くのは肌の黒さと刃の白さのコントラストの強さ。すごく濃かった。
刃文のふちはモールみたいだなって思いました。
ふさふさで、遊びすぎてぐにゃぐにゃになったりねじれたりした跡がついて、まっすぐ伸ばしてもその跡が取れない、みたいな様子の形状した刃文でした。

柔らかな線でもつれながら光って伸びている。

●8 剣 国吉

展示の位置的にも見た感じ的にも「だろうな」って思ったらやっぱり国吉だった。
粟田口の国吉、鳴狐の作者ですね。

鳴狐もそうなんですが、国吉ってなんだか神秘的な印象を受けることが多い気がしてます。
無茶苦茶に綺麗なんですよね!
直刃がすうっと通っていて、一点の穢れもない感じ、小ぶりな剣なんですが
「これは絶対神事用!!」って勝手に思っちゃう。神聖。清い。きっと神様に愛されてる。
しのぎが高くてまろい感じがするのもその印象手助けしてるかなあと思います。

東京国立博物館 鳴狐
 

これは鳴狐。

●6 国宝 短刀 後藤藤四郎

ヘーイ国宝!ってしたくなる。
後藤藤四郎は見るたびに「雲を斬ってる……」と思うのですけどそれは、かがむと見える白いもやのような映りとか、切っ先の続いていない飛び焼きみたいな刃とか、
金襴の布みたいなちらちらきらきら光る、でも色ムラなしの毛穴レスな肌とか、そういうの総合して「雲を斬ってその残滓が張り付いて残ってる」みたいな刃に思うのですよね。
なんかいつもファンタジックな姿が想像されてしまう不思議な刀。

●12 短刀 吉光

後藤とコレの間に庖丁藤四郎があったのですがそれはスキップしてこっち。
すっごく小さい、ペティナイフみたいな形した短刀でした。
しかし梵字に素剣の彫が入っている。

これ、刀身自体も十分に細くてきりりとしているんですが、刃文のほうも細くてきりりとしていて、すべてにおいて小さく細く、でも鋭く尖っているような印象はさほどしなかったんですよね。
これを懐に忍ばせていたら強くなれる、みたいな感想を抱きました。
なんだ?ガラシャか?

●23 短刀 銘正宗 不動正宗

正宗の刀は作った端から献上されるので銘を打つ必要がなかったとかなんとか言われており
在銘のものってとっても少ないのですが、これはそのレアな銘のある正宗。
正宗ってこんな銘なのね!なんか筆跡が村正にちょっと似てる。

正宗はわたしの好きな亀甲貞宗を打った貞宗の師匠なのだからああいう感じの上品さがある
…ってイメージをつけてしまっていて、
だからそのおどろおどろしい肌にちょっとびっくりしたのですが、
その肌の感じと不動明王の彫とが相まって
彫から肌から刃文まで巻き込んで燃えているみたいで、白い炎が立つみたいで、

これが!わたし!今回の収穫だった!

ノート 不動正宗
 

わたし今まで正宗の刀いっぱいいろんなところで見てきたのですがいまいちピンとくるのがなくて、
でもこれ!すごく楽しい刀だ!って思った!
この短刀のほかにもいくつか正宗が展示されていたのですが、それらを比較して見ながら、この間の財団さんの講演で聞いたばっかりの

「沸えと匂いをミックスさせた技法を確立させたのが正宗」

というワードがするりと入ってきて、ああこれがそういうこと!?となったりしたのです!

正宗の面白さなんとなくわかった気がする~!
肌は沸えがきらきらして上品な感じのが多いけどそれだけじゃなくて、そのきらきらを巻き込むようにして刃文の表情が豊かなんですね。

流れるように、風みたいに、水みたいに、炎みたいに。
沸えと匂いをミックスさせた、ってこれのことを言ってるのかなって。

ふんわりとしつつ輪郭がある、エッジが効いている、けれど線を決めすぎていない。
風景画のような刀身だと思いました。
やったあ楽しいね!!!

●41 南泉一文字

刀剣乱舞実装刀剣を見るのは課題曲の練習をするようなものだなあと思っています。
曲名は知っててなんとなく口ずさむくらいはできるけどしっかり譜面見て歌ったことのない、ってくらいの曲を
課題曲になったので改めてちゃんと練習してみるようなところであります。

そんな南泉一文字。
拵えは小サ刀拵えなんですね。
大きさ自体は打刀サイズ相当だと思うんですが、脇差として扱われていたこともあったみたいです。
とにかく拵え派手でしたね……

そして隣にも菊一文字があったりするのですが、それと比べるとすごく素直に刃文を見せてくれるなあと思いました。
鋭くない、柔らかな光で、すごく善良で明瞭な感じ。
全部金!!!!!!!!!!!!!!!の素直すぎる拵えも、この刃文の雰囲気ならすとんと似合ってしまうような雰囲気を感じました。

うん、すごくやわらかな光だった。悪いこと考えてなさそう。地獄とか知らなそう。

ツイート
 

他にもいろいろメモった刀あったけど疲れちゃった……すごくボリューミーだったんです……
糖分確保して心して掛かれ……これは他はしごせず一つに絞ってよかったと思った……
あと戸川志津とか好きでした。じりじりとしていた………

クリームソーダブレイクのあとはお土産を買い

徳美ブックカバー
 

新しい図録と新しいグッズ。ブックカバーかわいいぞ。よいぞ。
図録、とっても重量あってほくほくです!評論のパートはまだ読んでない!これから読む!
ご期待に沿えてます!

11時過ぎくらいに徳美について14:30くらいまでいました。
そりゃ疲れるね!!!疲れた!充実!!

帰りは大人しく電車で名古屋駅まで戻り、
17:30発の高速バスを取ってたのでそれまでの時間にちょっくらパフェ食べました。

極桃パフェが話題!岡崎の人気店『ミールカフェ』が名古屋に上陸。 | 名古屋情報通

ミールカフェ~~~~
整理券がとってもシステマチックだったので待ち時間あったのですがそんなに苦ではなかったです。
15時ごろに整理券取って、30分くらいだけ待ったかな?
大名古屋ビルヂング内をウインドーショッピングとかしたりしましたが、気負わずに入れるのは雑貨屋と本屋くらいでした。知らんブランドばっかや……

いちじくパフェ
 

いちじくのパフェ~~~
桃のパフェが有名らしいんですが8/4で終了とのことでした。

いちじくパフェ
 

色合いが地味だけれどすごくおいしいいちじくだった。
他にはぶどうとかあったけどいちじくって家で買って食べようってあんまならないからね、せっかくだからね。

(ここまでの本日の食事:朝マック、クリームつきカフェラテとトースト、ソーダフロート、そしてパフェ)(クリームが多い)

その後はバスで食べる夕ご飯用に駅弁買って大人しくバス乗って帰りました。

ツイート
 

という感じで!!
刀だけで十分一日楽しめちゃうねハハハハハみたいな内容の一日でございました。
わたしがお伝えしたいのは今回の鯰尾藤四郎は横から見ろということ、それからしっかり食ってから挑んで終わったらまたしっかり食えということです。
それだけお伝えできれば後は何も言うことございません。

イメージカット 午前
 

夏の終わりの一日、また今年もあの町で百日紅を見ることができて幸福でした。
また会えますように!

さて、こんな息を切らした感じのログでしたが、何かの足しになっていれば幸いです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!