東京国立博物館 長曽祢虎徹

とーはくとトーハクに行ったよレポ(三回目の明石と二回目の厚)

みなさま雪いかがですか?

沖縄、宮崎に次いで雪の降らない県で生まれ育ちました。いざなみです。
東京は絶賛お出かけ日和でした。雪降りません。

イメージカット 梅
 

(梅を見ると豊玉先生のことを思い出す体になっちまったよ)

昨日は三日月影五虎退髭切を見たばっかりなのですが、
今日はとーはく(刀剣博物館)明石国行を、
トーハク(東京国立博物館)厚藤四郎を見てきました!

だから最近忙しいんだって!!

というわけで、まずはとーはくの方をレポします!

●刀剣博物館

代々木の刀剣博物館ですね。
明石国行の現在の所蔵はこちらとなっていますので、前にも何度か見に来たことがあります。

刀剣博物館 代々木感謝祭-刀剣博物館開館50年にわたる寄贈名品展-

今回の展示は代々木感謝祭とタイトルが付けられていますが、
この刀剣博物館、来たる3/31で閉館し、両国に移転するのです。

移転先の博物館がオープンするのは秋になるとか。

というわけでちょっとメモリアルな展示ですので、今回限りで写真撮影がオッケーとなってます!
(※写真不可の展示もあり、フラッシュは禁止)

なんですけど、うっかり受付で荷物預けるときにカメラ取り出すの忘れちゃったんで
このブログには写真は載ってませんよ!!!
(ちょっと悔しいしまた行こうかなと思っている)(たぶん行く)

というわけで、華やかさに欠けてる箇条書きレポいきます~

●太刀 友成

メインにドーンと友成です。古備前。

大包平より大きいよ!ってキャプションついてました。
そのサイズ、三尺一寸七分96.1cmです。

映りがすごくきれいなんですけど、すっごく背伸びして見ました。

「刃文は小乱れに小沸えづいて古香がある」
とのキャプションになっていました。
わたしは「さざ波みたいな刃文だなあ」って思いました。

「友成は姿の美しさに、正恒は鍛えの良さに定評がある」
「かな色に黒味があり乱れ映り立ち」

とかもう、見どころいっぱいですね!

刃文を見るときにベストな角度と、映りを見るときのベストな角度って違うし、
姿見るにはちょっと離れるし、
あますことなく見ようと思うと全力のチューチュートレインになります。

刀剣博物館はそれほど混むことがないから、チューチュートレインできるあたり嬉しいです。

●太刀 銘 兼永

刀剣博物館 太刀 銘 兼永
 

キャプションに
「五条兼永 三条宗近の門流といわれ、弟と伝える刀工に五条国永がいる。」
とありました。

つ、つるまるくにながーーーー!!!
の親戚だ!!!

(天皇陛下譲位うんぬん即位うんぬん平成30年記念うんぬんで御物一般公開が見込めるので、
わたし来るその日までにつるまるのこともっと知りたい)

ということで親戚の方がおられたので、勉強するつもりでふんふん見させてもらいました。

姿は平安らしくほっそりしてきっさき小さいんですけど、目立つほど反ってるな~って感じではなかったです。
刃文がすごくきれいで、匂いの具合がそうするのか、なんだか立体的に見えるくらいでした。
あと色がなんとなく黒っぽい気がしたんだけど、ライティングのためなのかどうなのかはよくわかりません。

能ある鷹は爪を隠す~みたいな雰囲気出してる刀でしたね。
静かだけどいろいろ秘めてる。

●太刀 銘 信房

今回「これ好きだ!」と直感で思ったのがこの刀でした。

備前で鎌倉時代初期のもの、
地金はつんでて刃文のふちがぱっきりくっきり見えています。
映りがあるって書いてあったけど、それはよくわからなかったなー

この、つみつみの地金に、すっと輝く刃文がたまらなくすてきだった。

夜の砂丘のような風景でした。

●太刀 銘 備前国住人雲次 正和二二年十月日

「宇甘派、雲類と称される一派。
備前伝の中に山城風が混在する独特の作風を示し」

とここまで読んで、「あ、あの刀の一派か!」とピコーンとなりました。

ノート ふくやま美術館 太刀 銘 雲生
 

あのときは「しいんとした刀だ」と思ったんですが、
この刀にも同じ雰囲気あるかな、って思って探してみると、
刃文にそういう雰囲気を感じました。

刀剣博物館 東京国立博物館 太刀 銘 備前国住人雲次 正和二二年十月日
 

お坊さんが瞑想してるみたいな雰囲気を連想しました。

●太刀 銘 国安

これはふくやまで同じ刀工の作を見ていました。

ノート 太刀 銘 国安
 

「これ粟田口ぃぃ??まじ????」って思ったんですよね。
一緒だった。またあんたか。わかる。

ってわかったことが嬉しかった一振りでした。

●太刀 銘 来国俊 元享元年十二月日

この元享元年ってのは西暦1321年なんですけど、
ここでこの間佐野美で見たキャプションを参照して見ましょう。

佐野美術館 刀 貼銘 国俊 ノート
 

正和四年(1315年)のとき75歳だったらしいので、
1321年だと、

81歳。

まじかよ???
「いや二字国俊と三字国俊とでの違いがあったりするし」と思って佐野美の展示品目録見てみたのですが
このキャプションが書かれていた刀も三字の国俊だったから

ええ??つまりどう転んでも三字の国俊は81歳まで作刀してたの???

国広83歳もびっくりでしたけどね。
たぶん国広の時代より国俊の時代の方が平均寿命短いだろうから
比べてみると国俊のほうがスーパーじいちゃんかもしれない

キャプションには「最晩年の作」と書かれていました。
ちょっと縄みたいに見える刃文してました。
国俊じいさんの晩年の作、ぜひ見てみてください。

●太刀 銘 国行(来)

三回目の明石国行ですよ

▼一回目

▼二回目

なんかほんと自分でも不思議だし明石に対して申し訳ないんですけど、
何度見ても明石のこと覚えられないんですよね…
もう三回目なのに、キャプションで確認して「うん、明石だよな」ってしないと自信がない

すっごくきれいなんですよ、
地金がすごくつんでいて、地金と刃文を撫ぜるように見たときの感じとかきれいだなーってほとほと思うんですよ、
でも覚えられない。

なんなのかね、美人の顔は印象に残らなくて覚えられなかったりするけど
そういう感じかね。
整い過ぎてて、みたいな…

今回のキャプションで「輪反りの姿」と書かれていて
おお、確かに。と思えたので、
次はこの姿への印象で思い出せるようになりたい…

あと来の国行の隣に当麻の国行もおられました

阿部家伝来のものとのことでしたので、ふくやまで見たのとおそらく同じ国行さんですね。
お久しぶりです。先日は失礼いたしました。

ノート ふくやま美術館 銘国行
 

うう、並んでみれば全然違うってわかるよ流石に!!

もっと国行についてちゃんと面目立つようになりたい…

そう思ったとーはくでした

ヒマラヤカレー
 

とーはくに来たらたいていヒマラヤでカレー食べるよ
ヒマラヤのチーズナンは冒涜的なうまさですよ

カロリーを大量摂取して、次はトーハクへ!

●東京国立博物館

東京国立博物館
 

お正月かざりが出ています。

最初の部屋のラストのスペースの仏像さん、今回は戦隊ものみたいでかっこよかったです。

東京国立博物館
 

いつもの大好きライティングの影

東京国立博物館
 

後ろ姿もなんかこう、戦隊ものでしたよ

東京国立博物館
 

そして刀のお部屋です!

●短刀 粟田口吉光 名物 厚藤四郎 銘 吉光

二回目にお会いする厚くんです。

まずはその凛々しいお姿をごらんください。

東京国立博物館 厚藤四郎
 

見えます~?この地金!

吉光、なんだかんだでもう何振りも見てきましたけど、
やはり国宝指定されるだけあって、統制のとれた地金の美しさだなあと思います。
そうでなくても吉光の肌は美しいんだけど、
美しさの中でも、際立って統制が取れている、というふうに思いました。

東京国立博物館 短刀 粟田口吉光 名物 厚藤四郎 銘 吉光
 

このきっさきのすっと返る感じ、眉目秀麗という言葉がぴったりです。

なんでこういう表現に「眉目」なんて使うのかなって思ってましたけど、
わたしも刀の直刃の刃文の美しさをものに例えるとき、
ついつい「すっとした眉」とか「涼し気な目元」とか
そういう言葉が頭に浮かぶんですよね
(あと今ググって知りましたけど、眉目秀麗って男性にしか使わない表現なんですね)

だからほんと眉目秀麗であってる。
厚くんは眉目秀麗。ファイナルアンサー。

東京国立博物館 厚藤四郎
 

前に見たときは分厚さにびっくりして「ごついじゃん!!」って思ったんですけど、
いま改めて見てみるとごついって訳ではなく、すらっとしてるんだよなあ

すらっとしてるから、これしっかり息の根止めてくれそうな刀だと思った。
秀次事件思っちゃう。

●太刀 手掻包永

なんか今回、ベストなカメラの設定を見つけたので、めっちゃ刃文撮れてるんですよね…!

東京国立博物館 太刀 手掻包永
 
東京国立博物館 太刀 手掻包永
 

キャプションにありますが、二重刃、確認できました!

大和鍛冶とのこと。
わたしは大和の刀の地金は素朴だなと思ってるんですけど、
これはちょっと映りがある感じで、映りで地金の色が白っぽく見えて、
その白っぽさが素朴な感じをさせるなあと思いました。

●国宝 短刀 相州貞宗 名物 寺沢貞宗

うおおおーう国宝で貞宗か!!と思って期待して見てみると、
まあ美しいこと!

東京国立博物館 短刀 相州貞宗 名物 寺沢貞宗
 

この地金のつむつむ感は亀甲と似てますねえ

わたしだいぶ亀甲のこと気に入ったらしいんですけど、
つむつむな美肌に、柔らかで穏やかなのたれで、沸え寄りのはっきりした刃文の縁を書いてるやつが好みなのかな、と段々整理がついてきました。

これは雨だれみたいな不規則なのたれでしたけど、地金と刃文のコントラストがとってっもきれいでした。

東京国立博物館 短刀 相州貞宗 名物 寺沢貞宗
 

●短刀 長船長義 銘 備州長船住長義 平十七年十月日

わたしの大好きなゴリマッチョ長義さんの短刀ですよ!

東京国立博物館 短刀 長船長義
 
東京国立博物館 短刀 長船長義 銘 備州長船住長義 平十七年十月日
 

やっぱりこういうタイプの刃文の縁が好きなんだなわたし

東京国立博物館 短刀 長船長義 銘 備州長船住長義 平十七年十月日
 

見てくださいよ~~地金までばっちり写りましたよ~~
このざりざらした野生みのある地金たまんねえ強いマッチョ好き

長義さんは割と見る機会が多いのでうれしいですね~

●刀 長曽祢虎徹

ハネトラ銘の虎徹でした!

東京国立博物館 長曽祢虎徹
 

虎の字のハネがぴょ~~んと上がってます
この銘をハネトラと呼ぶそうです

▼この記事でちょっと調べてまとめています

蜂須賀虎徹もこのハネトラなんだとか。

東京国立博物館 長曽祢虎徹
 
東京国立博物館 刀 長曽祢虎徹
 

ぽこぽこした刃文してますけど、虎徹のこれは数珠刃と呼ばれていて、特徴的なものです。
これも沸えのぱきっとしたわたし好みの刃文の縁です~

あとは一文字(今荒波)長船長光の並んでるケースが派手派手でしたね。

今荒波

東京国立博物館 太刀 一文字 号 今荒波 銘 一
 
東京国立博物館 今荒波
 

長光

東京国立博物館 太刀 長船長光
 
東京国立博物館 太刀 長船長光
 

「なにあそこ叶姉妹かよ」って思った

東京国立博物館
 

という具合で、たっぷり一日刀を見て終わりました!

ほんと箇条書きレポって自分の覚書的側面が強いんですけど、
ここまで辛抱強く読んでくださっててありがとうございます。
ここまでスクロールするの大変だったでしょう。

一月の土日はすべて遠征で予定埋まっています!忙しいです!わっしょい!
でもやっぱりとーはくはリベンジしたいな!カメラ持って!

同じく忙しくしている審神者さんはがんばりましょう!

ここまで読んでくださってありがとうございました!

東京国立博物館
 

トーハクの根付コレクション
タイトルは「ひとり旅」

旅は出てみればなんとかなるもんさ!