歌仙兼定

初期刀への愛がカンストしましたレポ( #歌仙兼定登場 見てきたレポ)

タイトルで遊びすぎるとそもそもこの記事にアクセスしてくれる分母が減るな??
って思って折衷案にしました。

お盆は中鉢美術館に行ってからの徳川美術館に行ってからの帰省することにしました。
旅はお金と時間と体力と好奇心が元気なうちに行け!がモットーです。
こんにちは、いざなみです。

今回はうちの初期刀さん、
歌仙兼定が目白で公開されてますので、行ってきました!

わたくしごとですが、学生時代のバイト先が歌仙兼定の所蔵&公開場所の永青文庫ととっても近くて、
その当時は刀剣乱舞始まってなかったですけど、
わたし毎週歌仙のすぐそば歩いてたんですよ、って思うと、
なんかもうわたしが初期刀で歌仙選んだのすごい、あるべくしてそうなったわねみたいなね!
そんなこと!思うよね!脳内花畑だから!!!

(ちょっと覗いてみるくらいの気持ちで始めたから、初期刀ぜんぜん決まってなかったんですよね、
むっちゃんと迷ったけど自分もド文系だしな~~って歌仙にした程度でした)

そ~んな、自分にとってはなじみのある土地で初期刀が公開されたので、
もう今回は何回も見に行くことにしよう!と思って
今日2回目の鑑賞に行ってきたので、記事に着手しました

1回目と2回目の写真や感想を入り交えてという感じになりますが、
お付き合いいただけると幸いです~~

永青文庫へのアクセス

土地勘があるのをいいことに、永青文庫へのアクセスについてちょっと長めに書きますね!
わかってるよ!って人とかは読み飛ばしてください~

展示場所は前述した、目白の永青文庫
去年は春画展がこちらで開催されて、話題になりました。

永青文庫は都内で刀剣が展示される場所としては、割とアクセスがしにくい場所かもしれないです。

メトロの江戸川橋駅が割と近いかな~と思いますけど、
わたしは目白駅から歩いて行っちゃいます。
30分弱くらいかかりますが、道は簡単です。(バイト出勤時いつもそうしてたから慣れてる)
目白から椿山荘らへんまでバスに乗っても大丈夫だと思います。
そして、
どのルートで行っても坂があります。

目白通りを直線して、ここぞ!ってとこで右に曲がってくんですけど、
この道はちょっと早く曲がっちゃった例です(バイト出勤時の癖でつい)。

永青文庫
 

この道通っちゃうと松聲閣には着くけど、せっかく下ったのに永青文庫に行くにはまた昇らなきゃいけない。モッタイナイ。

永青文庫
 

昇らなきゃいけない坂がコレ。

(案内が出てなかったから1回目のときは素直に一度敷地を出て公道を通ったんですが、
この場合庭園の中の道を昇るほうがいくらか楽なんだろうなと思います)

江戸川方面から来るとたぶんこの坂を上りますね。

そう考えると、一番楽なのは
目白通り側から来て帰りは江戸川方面の交通機関で帰る
のがいいかもしれませんね?
そのルートだと下りだけになりそうです。

永青文庫から松聲閣(歌仙兼定パネル展示場所)へ抜けるときは庭園の中を通るよう案内されるのですが、
その道がわりとざくざくした下り道ですので、慣れないヒールとかだとどのみち大変そうです。
ご自分の得意なお靴でお出かけしてくださいね~!

さてアクセスについて細かめに書いちゃいましたが、
以下から実際に行ってみてきたよレポです!

永青文庫

永青文庫 歌仙兼定登場
 

永青文庫、白壁のすてきな洋館です。
館内撮影禁止なのが残念。ふつうに洋館としてとっても好きなのでめっちゃ写真撮りたかった。

入場料は1000円。
入場券を購入するスペースがショップになっていて、
図録や永青文庫の季刊誌、募金箱などはそこに配置されています。

永青文庫 歌仙兼定登場
 

一度品切れになったみたいなんですが、すぐ復活してくださいました。
図録も別にありますけど、歌仙の写真なんかはこれにも載っていますので、
がっつりな図録じゃなくていいって人は300円でぽいっと購入するのもいいかもです。

混雑状況は随時永青文庫のtwitterでお知らせしてくれています。

永青文庫
 

こんな感じで。

見ていると午後になるとたいてい空いているみたいで、わたしも2回とも午後に行きましたが、ゆったり見れました。
平日になると貸し切り状態になっちゃうこともあるみたい。学生さんなんかは狙い目ですね!

入場のところでまず4階に上がって、そこから鑑賞してくださいと案内されます。
4階の展示室が刀剣の展示室となっております。

さてさていつもの気になったもの箇条書き形式でいきます!

●生駒光忠

正式名称は
刀 金象嵌銘 光忠 光徳(花押)
生駒讃岐守所持

となっております。一番手から国宝です。

光忠はほんとみっちゃんをほうふつとさせる感じの、
ぱきっとした着こなししてるのにめっちゃ派手!ってのがわたしのなかの光忠のイメージなんですが
刃文、すてきな丁子で派手ではあったのですが、

なんかこう、濡れてるみたいな刃文だ、とも思ったし、
溶けた氷が溶けだした端からまた凍りだしてるみたいな刃文だ、とも思いました。

(桜庭一樹の伏って小説で、「抜けば玉散る正義の刀」ってのが出てくるんですが、
それをなんとなく思い出しました)

そして地金がむちゃくちゃ美しい。
うんと細かい、きれいな、南の国の海の砂浜の、いちばんきれいな砂を敷き詰めたみたいな、
めっちゃ目が細かいのです。

これは国宝…わかるー!ってかんじでした。

●脇差 銘 備州長船経家 永享九年二月日

刃文がかっこよかったんです。
大きいのたれと小さいのたれ(であってるのか?)が交互に来てて
なんだかリズミカルな刃文だったし、豪快にもおしゃれにも感じられました。

ノート 生駒光忠
 

●歌仙兼定

正式名称は
刀 銘 濃州関住兼定作(歌仙兼定)
となっています。

この兼定さんは和泉守の称号(?)を頂いていて、兼定としては2代目です。
室町時代16世紀生まれ。

兼定の名は受け継がれて幕末の11代兼定、我らが兼さんの生みの親まで続いていくのですが、
和泉守の名を冠することができる兼定は2代目以降ずっとおらず、
11代目の兼定さんが2代目さんぶりに和泉守の名をいただいたわけですね。

生みの親は違うけど同じ兼定、同じ和泉守な兼定コンビ、わたしだいぶ好きです。
どっちもどっちでそれなりにめんどくさい感じがとても好きです(褒めてる)。

そして歌仙さんがしきりに主張するノサダというのは、
2代目兼定が銘をきるとき、
兼定の「定」の字の、ウ冠の下を「之」ときっていたためにそう呼ばれているそうです。

…と書きながら、とても重要なことに気づきました。

わたし銘をちゃんと見てないーー!!!!

ノサダを確認できてなかった…
どちらにしろまた9月にでも行こうと思ってたけど、こりゃ確実に行きますわ…

なんであんなに主張してくるノサダを確認しなかったかって、
なんだかもう、自分でもびっくりなくらい胸がいっぱいになっちゃったんです

ここからは刀そのものの話と言うよりは、自分の思い入れのせいで起こった話に寄っちゃう部分もあると思うので、
読むのならそのへんご了承お願いします…

歌仙兼定登場 永青文庫
 

説明書きには
「反りが先のほうにつき、片手で振れるように刃と茎の寸法がやや短くなっている」

とありました。
確かに割とまっすぐめな姿をしていて、それは土方歳三資料館の兼定にも似ているなあと思いました。

名前の由来となった36人斬りですが、
隠居していた細川忠興が、息子・忠利の施政が気に入らず、
息子の側近36人を手打ちにした、という逸話がそれです。

詳細調べてないのですが、おそらく室内でザッシュザッシュと殺っちゃった感じだろうなあと思います。

…と思うと、この大きさはとても納得です。
大きすぎないし、確かに片手で扱うこともできそうな寸法です。小回り効く感じ。
それでいて厚みもそこそこあるし、重みがあるように思うので、
それほど力まなくても刀の重さそのもので斬れるような感じがしました。

ついでに言うと、腰元ががっしりしている割に切っ先のほうは細身なような気もしました。
(気がしただけだから相対的にみるとあえて言うほどのものでもないかもですが)

全体的に見て、小回り効くけど骨太な、重みのある感じ

そういうふうに自分の中で言語化して、
なんかもう、ほんとに、ほんとにつくづくあなただね!
って思って、ほんとに付喪神の歌仙兼定がそこにいるみたいに、まぶしく見てました。
(※こじらせてる部分が大きい)

それが1回目のときの胸がいっぱいになっちゃった案件なんですが、
本日2回目に行って、前回よりも空いていたので、じっくりと近くで見れたのです。

近くで見てみると、地金は峰のほうはざらっとした、気性の荒そうな感じがあるのですが、
刃文の白いところに近づくにつれ、目が痛いくらいな美しさがありました。

刃文をゆっくりと見て、朝日に照らされた山の稜線だ、と思いました。

そんなこと江雪左文字のときも言ったんですが、
それとはもうちょっと違う光が反射されてました。
こっちのほうが橙色っぽいんです。なんとなく。

歌仙の刃文、腰元でふわっと膨らんで、その先はすらーっと直刃のような感じになっているのですが、
その、膨らんだところ、
そこが本当に山と雲と、朝日で白んだ空みたいに見えるんです。

ノート 歌仙兼定
 

なんというか、嘘みたいにきれいで、胸が痛いくらいでした。
(※こじらせてる部分が大きい)

そんなかんじで、胸をいっぱいにして
だいぶ長い間歌仙兼定の前に突っ立ってました。

…こんなに好きになる予定じゃなかったんだけどなあ。

そういうのはまあともかく、
思い入れってここまで物の見方を変えるものなんだなって身に沁みました。
モノそのものの価値や美術性はそれはそれで尊ばれるべきものですが、
それだけじゃ説明のつかない価値は確かにあるのですね。

昔読んだラノベで「事実は一つだけど、真実は人の数だけある」っていう文言があって
田舎の芋娘なりにその言葉に感銘を受けてたのですが
まさにこれが、それだなって。

この刀が36人を斬った空恐ろしい一振りの刀であるという事実の上に、
わたしのなかの思いという真実が重なって、
わたしだけじゃなくたくさんの人にとっての真実がここに渦巻いてるのですね。

そんなことを思わされました。チクショウ初期刀の馬鹿。

デザイナーホソカワ

歌仙兼定のせいでだいぶ長文にしてしまったのでさらりと後は流すことにしますが、
なんかとりあえず細川さんちセンスよすぎない!?!?って興奮しました

歌仙拵え信長拵えも超キレイ。
歌仙拵えは小紋(着物の柄の用語)のようでしたが、
信長拵えは白が強くてステンドグラスみたい。
包永打刀拵えは草間彌生みたい(ググって)。
レンコンの穴とか怖い人はダメそうだななんてこと思いました。

正宗短刀拵えなんかはほんとにセンスの塊だと思った。
あの柄のウールの着物とか冬に着たい。

ノート 正宗短刀拵
 

拵えって持ち主の好きを集めて固めたものじゃないですか、
それがこんな素敵とかやっぱり細川さんやばい。(語彙力)

なんかこう、全体的に着物の用語を思い浮かべることが多かったのですよね。
それがほんとオシャレ番長ってとこなんだと思います。

3階、2階にもそれぞれ展示があります。
3階は文書が多いのですが、うっかり国宝の刀剣が展示されてたりします。

そして3階で見つけちゃったコレがツボかった。

●御家名物之大概

安政3年(1856)のものです。江戸時代ですね。安政の大獄のあたりですね。

細川家に伝来した名物の由来が記された道具目録で、初代から4代目の光尚までが記載されているそうです。
185件の武器、茶道具、屏風などについて書かれていて、そこに歌仙兼定についての記述もあるんですけど…

一 和泉守
三斎公より細川中務殿江被遣候 中務殿遺物ニ
光尚公江御進上 綱利公御所持

写し間違えしてなければこういう記述が、あるんですけど(そのページが開かれて展示されてるんですけど)、

この「和泉守」として記述されている歌仙兼定が載っている個所、
脇差の項なんだそうです。

…ほう?

まあ大きすぎず小回り効くかんじだな~とか思ってたんですが
江戸時代の区分分けでは脇差、ですか…ほ~ん…

わたしどこまでいっても脇差推しなのかな…
(※わたしは鯰尾厨)

ってわけで創作のネタにでも使ってください。脇差は好きです。たのしいね。

2階は鍔や目貫、こうがいなんかの金工の展示と、
季刊誌が閲覧できるようになっています。
ソファがあるので季刊誌を読みながら休憩なんかもできますよ。

あまり関係ないですが、踊り場に展示してある古い本がとっても見てて楽しいです。
フランス語の本とか、読めた分ではイソップとかアラビアンナイトとかアフリカについての本とかある。
昔の本の重っ苦しい装丁めっちゃ好きです。写真撮りたかった。

松聲閣

永青文庫を見終わったら、松聲閣(しょうせいかく)へ!

肥後細川庭園

旧熊本藩細川家下屋敷のあったこの地で、細川家の学問所として使用されていたようで、
一時期は細川家の住まいとして使用されていました。

とのことで、こちらは永青文庫とは違って和風建築となっております。

アクセスのくだりでも少し書きましたが、歌仙兼定の等身大パネルが設置されているのはこの建物です。
永青文庫とは庭園を挟んで隣接している形ですね。

松聲閣
 
松聲閣
 

割と森率の高い庭園ですが。

リニューアルオープンしたのが今年の1月だったそうで、
なんか大きな敷地だよなあ?とは思いながらも何があるか知らないでこの道通ってバイト先に通ってました。
謎が解けてとても満足です(・ω・)

パネルと写真撮るようなタイプのオタクじゃない方も、
建物自体には入場無料で入れて、見晴らしのいい2階から庭園を見られるので、
ちょろっとでも入ってみるといいと思います。

歌仙パネルの展示は2階なのですが、
そのお部屋に行くまで(そんなに大きな建物でもないのですぐなんですが)が、
なんかこうすっごい楽しい。

松聲閣
 

階段けっこう急だし。田舎の親戚のうちみたいだよ。
割と小ぢんまりした使い込んだ木目の出た手すりあるし。
畳いいにおいだし。

すっごいお宅訪問してる気分になるの!!

そんで2階のそのお部屋入るじゃないですか、

歌仙兼定
 

/やあいらっしゃい、待ってたよ\

…とか言ってほんと歌仙さんのおうちにご招待されたみたいな錯覚したよ!!
あんたこの家似合うね!!まじで!!!!あるじおこだよ!!!!

(※こじらせてます)

お部屋に同類(審神者)しかいなかったので恥を捨て定番のアレもしました。

歌仙兼定
 

158cm女審神者の視点から見る歌仙兼定です。お納めください。
(これで180ないんだよね??けっこうでかいな???ってなった)

気持ちを落ち着けて下に降りましょう。
下ではお抹茶もいただけますよ!

新江戸川公園松聲閣 (ショウセイカク) – 早稲田/日本茶専門店 [食べログ]

メニューは暖かい普通のお抹茶と、冷たい抹茶ドリンクの2つだけですが、
加勢以多という熊本のお菓子がいただけます。
入口のとこの事務所で注文して、椿という名前のお部屋でいただけます。

松聲閣
 

お庭が真正面に広がるお部屋です。
ここは喫茶メインの建物というわけではないので、そんなに大きくはない。

松聲閣
 

暖かいお抹茶は500円でした。
お菓子には九曜の紋が入ってます!さだちゃん来ません!
(7-2回想は頑張って回収できた。小夜何度もごめんな。)

玉鋼とお茶

そして一服してたら事務所のおっちゃんがやってきて、
「永青文庫見てきた方おられます?」
と言ってこちらを置いてってくれました。

松聲閣 玉鋼
 

おっちゃんの私物の玉鋼と実際にたたら錬成をしに行っておっちゃんが作った玉鋼だそうです。
そしてたたら錬成についての説明の入ったファイル。

おっちゃーーん!!!
完全にご厚意でやってくださってることなんだと思います。
なんか気持ちがうれしい。

玉鋼、箱に入ったものを持ち上げたときに玉鋼同士が少しぶつかって小さく音がしたのですが
それがとってもきれいな音でした。

出るときに「玉鋼ありがとうございました~」と言ったら
おっちゃんgoodポーズしておられました。お茶目。そのままのあなたでいて。

そんなかんじで最後にくすっと笑わせてもらって元気になって歌仙さんちを後にしました。

色んな方向に暴走した文章になっちゃってると思いますが、大丈夫でしたでしょうか。
地雷があったらごめんなさい。引いてしまわれたらごめんなさい。
理解してとまでは言わないが存在を許容してほしい所存であります。

そんなこんなで歌仙兼定に会ってきたよレポでした!
とりあえずあと一回は行くと思うので、
展示室でリングノート持って歌仙兼定の前で立ち尽くしてる女がいたらわたしかもしれません。

余談ですけど。
1回目に見に行った時、歌仙兼定の前で立っていて、
鞄がちょっと後ろの人に当たってしまったので、すいません、って謝ろうとして振り返ったんです。
振り返ったんですけど、だれもいませんでした。

まあそもそもぶつかったような気がしただけで十中八九気のせいなんですが、
どうせ気のせいなら自分の好きなように解釈しちゃおうって思って。
わたしの斜め後ろで歌仙さんが立ってて
歌仙兼定を見ているわたしの後ろにいてくれたんだなって、思うことにします。

そういうちょっとしたファンタジーを
日常の中で殺してしまわずに生かしておくのも、悪くないでしょ、
って思うことにしてます。

あ~~~~完全に余談なので気にしないでくださいどうせ月曜になったら現実が始まるんです土日は脳みそも非現実にいさせてください

そんなこんなですが!
あなたにとって有益な情報が提供できていたら幸いです!
読んでくださってありがとうございました~!